保育士として働いていると、退職や転職などのライフステージの変化は誰にでも訪れるものです。しかし、保育の現場は子どもたちの生活に直結しているため、引継ぎの質が園全体の安心感に大きく関わります。
だからこそ大切にしたいのが丁寧な引継ぎ。残る職員だけでなく、子どもや保護者にとっても安心につながります。
ここでは、保育士が円満に退職・転職を迎えるための引継ぎポイントについて、実務に沿って分かりやすくご紹介いたします。
1. 早めの共有で園全体の混乱を防ぐ
退職や転職が決まった際は、まずは園長や上司へ速やかに報告することが基本です。
保育現場は人員配置やクラス運営に大きく影響するため、早期の共有が重要。特に小規模保育園や担任制のクラスでは、1人の役割が大きく、準備期間の有無で現場の負担が大きく変わります。
2. 子どもの情報は最優先
保育における引継ぎで最も重要なのは、子ども一人ひとりの情報。日々の関わりの中で気づいてきた細やかな様子は、書類だけでは伝わりにくい大切な財産です。
「この声かけで安心しています」
「初めての活動は少し不安な様子が見られます」
といった具体的な表現でまとめておくと、後任の保育士も関わりやすくなります。
引き継いでおきたい主な内容は、以下の通りです。
生活リズムに関すること
食事や睡眠の様子に関すること
発達や配慮が必要な点に関すること
好きな遊びや安心できる関わり方に関すること
保護者との関係性に関すること
3. 書類・記録の整理は「見れば分かる状態」に
日誌や指導案、連絡帳の書き方などは、園ごとのルールがあるため、形式の共有も大切です。
途中のままの書類や未整理のデータがあると、後任の職員に大きな負担がかかってしまいます。
「どこに何があるのか」が一目で分かるようにまとめておくことで、現場の引継ぎが格段にスムーズになります。
4. 保護者対応の引継ぎは信頼関係を意識する
保護者との関係性も、重要な引継ぎ事項の1つです。これまでのやり取りや配慮してきた点を共有しておくことで、保護者の不安軽減につながります。
子どもだけでなく、保護者の気持ちにも寄り添った引継ぎを心がけたいところです。
5. 行事・担当業務は具体的に共有する
保育園では年間行事や係業務など、担当制の仕事が多くあります。
口頭だけの引継ぎでは抜け漏れが起こりやすいため、業務内容はリスト化しておくことがおすすめ。次のようなことをセットで共有しておくと、後任の先生も安心して業務に取り組めます。
業務の流れに関すること
注意点や過去の改善点に関すること
使用している教材や準備物に関すること
6. 最後までいつも通りの保育を大切にする
退職が近づくと気持ちが落ち着かなくなることもありますが、子どもたちにとっては毎日が大切な日常。「もうすぐ退職だから」と距離を置くのではなく、これまで通りの関わりを続けることが何よりも大切です。
子どもたちは大人の変化に敏感ですが、いつもと変わらない優しい関わりが、安心感につながります。
7. 感謝の気持ちを伝えて気持ちよく次の一歩へ
円満な引継ぎの締めくくりとして大切なのは、感謝の気持ちです。お世話になった園や職員、保護者へ丁寧に挨拶をすることで、温かい関係のまま次のステージへ進むことができます。
保育の現場は「人と人とのつながり」で成り立っています。だからこそ、最後まで誠実に向き合う姿勢が信頼につながります。