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2022.02.19

絵本作家「五味太郎さん」の心に響く言葉

絵本作家の五味太郎さんをご存じですか?工業デザイナーを経て絵本の世界に飛び込んだ、という異例の経歴を持ちながら、数々の絵本を世に送り出しています。
著作はなんと450冊以上!日本国内だけでなく、海外からも高く評価され、ボローニャ国際絵本原画展などで多くの賞を受賞しています、
どの家にも1冊はあるであろう、五味太郎さんの絵本。そんな五味太郎さんは鋭い視線で大人の社会と子どもの社会を見ています。

五味太郎さんの人気絵本
・きんぎょがにげた(福音館書店)
・たべたのだあれ どうぶつあれあれえほん(文化出版局)
・きいろいのはちょうちょ(偕成社)

大人は何でも分かっている?

大人と子供ではその経験や知識には多くの差があます。ですから、大人や社会は子どもを導いて上げなくてはならない存在です。
ただ、五味さんは「大人なら何でも分かっているわけではない」と語っています。
五味さん曰く、一番大切なのは、「わかっている」人ではないのだとか。では何が大切かというと・・・
今でも現役でやっている人、つまり「わかろうとしている人」なんだそうです。

絵本作家、五味太郎さんが考える「子どもの学び」と「大人の学び」

子どもの学びについて、五味太郎さんは次のように述べています。
「わかった人」が「わからない人」に教えるのが教育とされています。しかし人生において、「わかった」という境地に立てる人などいない、とのことです。
これは、分かったつもりの大人でも、まだまだ分かっていないことがたくさんあるのだ、ということを言いたいのではないでしょうか。

五味さん曰く、最も要注意な人物は「わかったつもり」の大人

最も注意が必要な大人は「わかった気でいる大人」なんだそうです。そんな大人が話す内容には、要注意だ、と語っています。
五味太郎さんは「人生において、そこらあたりが問題なんだよね」と子どもと共に考えることが大切なんだそうです。
そんな大人が近くにいる子どもは、一歩前に進めるのだ、とのことです。

大人は子どもから質問をされると、自分の頭の中にある知識の範囲で分かっていることしか教えられません。しかし「これが全てだ」のような言い方をしてしまうこともあるのでしょう。
その大人の頭の中の知識はまだまだ足りていないのだ、と五味太郎さんは言いたいのでしょう。

大人が読むべき五味太郎さんの著書「大人問題」

講談社文庫から出版されている「大人問題」は子ども向けではなく、大人向けに書かれたものです。
その内容は以下。

「世間を気にして教えたがるおとなこそ問題」
「子どもは大人の充足のためのものではない」
「大人は緊張感をもって楽しみに見守るサポーターになろう」

子どもに対して傲慢な態度をとっているかもしれない、と感じたら、そんな頭をほぐすために読んでみてはいかがでしょうか。

2022年1月30日(日) 朝日新聞朝刊より出典・引用しています。