保育士資格合格パーフェクトナビ

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2021.01.30

早生まれの子ども達へ 学校などの取り組み

子どもの生まれ月に応じてクラス編成をしている学校があります。教師はどのようなことを心がけて接しているのでしょうか。

玉川学園小学校は誕生日順に「年長」「年少」

東京都町田市にある玉川学園小学校の1年生では、一般クラス2組を誕生月順に年長・年少と分けています。
1年生は生まれてまだ6,7年。生きてきた長さによって経験や発達に大きな差はあって当然と小学部長の後藤さんは話しています。
誕生月による2つのクラス分けをすることで、子どもの発達に応じた丁寧な対応ができると話しています。

後藤さんは全てのクラスで担任を持ったことがあり、生まれ月によって体格や運動能力、言語量など明らかに差がみられることを身をもって経験しているとのことです。

誕生月に関係なくクラス編成すると序列ができてしまう?

誕生月に関係なくクラス編成をすると、遅生まれの子どもがリーダーシップをとることが多く、周りや大人もそのような子ばかり高く評価してしまいがちです。
早生まれの子は遅生まれの子についていくだけで依存する関係になってしまい、さまざまなチャンスが失われているのかもしれません。

教員として、他の子どもと比較せず、その子ができたことをきちんとほめて認めることが大切とのことです。

スポーツ能力の差は男児に長く残る

プロスポーツ選手は早生まれが少ないことは以前から指摘されていました。
奈良女子大学准教授 中田大貴さんの研究によると、小1~中3までで、女子は小5以降ほとんど差が見られなかったのに対し、男子は全ての学年で差が見られたとのことです。これは男子の二次性徴が影響しているとみています。

体力的に不利な早生まれの子どもは頑張りが続かない?

東京農業大学准教授の勝亦さんによると、生まれ月によって運動能力に差がるため、早生まれの子どもはなかなか試合に出られないなど不利な状況が続くため、頑張りが認められにくく、途中で辞めてしまう傾向があるのでは、と指摘しています。

一方で遅生まれの子どもは、好成績を収めることでいい指導者から指導を受けられたり、周囲から認められ期待されるるため、応えようと頑張ったりします。
そんな心理的な影響もあるのではと、勝亦さんは語っています。

2021年1月10日(日)朝日新聞別冊 EduA より出典