保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.04.09

お笑いタレント キンタロー。さんも利用した「産後ケア施設」とは

出産後に助産師から心身のケアや育児支援を受けられる産後ケア施設。お笑い芸人のキンタロー。さんが2020年1月に長女を出産した際に利用したことで一気に知名度が広がりました。

赤ちゃんとお母さんのケア施設の状況は、保育士の知識として持っておきましょう。

ニーズが高まっている産後ケア施設

首都圏に人口が集中し、核家族も増え、親が遠方に住んでいて頼れない人が増えています。また、近年高齢出産が増え、親も高齢で頼れない人も多いでしょう。
産後、周りに頼れる人がいなく、夫は仕事でいつも遅いことも。そんな女性を救う役割をしています。

「これがなかったら夫婦仲に亀裂が入っていたかも」という人も

赤ちゃんのためにバランスのいい食事をとりたいと思っても、買い物も睡眠もまともにできない産後。自分の食べる物さえ料理をする余裕はなく、ましてや夫のために家事をする余裕なんてありません。
利用したある女性は、入浴したくてもできず、夜泣きもひどく、ある夜夫が遅く帰ってきてあたってしまったことがあったそうです。
もちろん夫が悪いわけではありません。しかし、いたわりねぎらう余裕さえないのが産後のママと赤ちゃんの状況です。きづくと涙があふれていたこともあったとか。
そんな時に日帰り型の産後ケア施設を利用し、助産師に悩みを聞いてもらったり、休息を取ったりしたら、生き返ったここちがした、と言っています。

産後ケア施設は大きくは3タイプに分かれている

産後ケア施設には、①宿泊型、②日帰り型、③アウトリーチ型 の3つのタイプがあります。それぞれの特性は以下です。

①宿泊型:一定期間宿泊して個別にケアを受けられる。利用料は一泊二日で5,000円~6,000円。
②日帰り型:日帰りで集団又は個別でケアを受けられる。利用料は1,000円~3,500円。
③アウトリーチ型:助産師らが自宅に出向く。利用料は1,000円以下

ニーズが増え続けている産後ケア施設

出産後、女性の身体は大きなダメージを受けます。分娩により骨盤がゆがむ人もいますし、帝王切開で傷が痛むこともあります。ホルモンの分泌が変化する影響で精神的に不安定になる人も多いです。
産後ケア施設は、出産後の女性の心と体をケアし授乳指導や子育てなど全般をサポートします。

2019年度で928市区町村に広がる

厚生労働省によると、2019年度、全国の928市区町村が産後ケア施設を提供しています。独自に施設をもうけたり、病院に委託したりし、一部費用の補助もしています。
2019年度には自治体に産後ケア事業実施の努力義務を課す、母性保護法の改正も行われました。厚生労働省は、2020年度の予算案で、産後ケアの実施を後押ししています。

2020年2月26日(水)朝日新聞朝刊より出典