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2021.06.26

「日本は子どもを生み育てにくい」と感じる若者は突出して多い現実・・・

内閣府の国際調査で、「日本は子どもを生み育てやすいか、という質問に対し、若年層の6割が「育てにくい」と回答していることが判明しました。これは欧州3か国と比べ、突出して多いとのことです。少子化の要因になっていることは間違いないでしょう。

想定内なのか驚きの結果なのか?6割上の若者が「日本は子どもを育てにくい」

5年に1回内閣府が行っている国際調査。少子化対策に役立てるために行っています。
今回は2020年10月~2021年1月に、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンで、20歳~49歳までの男女に調査しました。
日本では約1,400人から回答を得ています。欧州3か国は約1,000人から回答を得たとのこと。

ショッキングな結果か、それとも想定内か、日本は子どもを生み育てにくいと感じている若者が、他国に比べて突出して多いことが分かりました。
これこそ少子化の要因になっていることは間違いありません。

非常に興味深い結果が出た国際調査

★「子どもを産み育てやすい国か?」という質問にたいし「そう思わない」と答えた人の割合

日本・・・61.1%
フランス・・・17.6%
スウェーデン・・・2.1%

税金などの負担増、不安定な雇用、長時間労働、見込めない昇給、住環境の悪化、環境汚染、女性ばかりに偏る家事育児介護の負担・・・様々な問題が重なり、このような結果になっているのでしょう。
結婚して子どもを持つことに夢を持てる社会になっていくことを望みます。
スウェーデンの2.1%には驚きを通り越して、ちょっと信じられません。

★「小学校入学前の育児は主に妻が担うもの」と答えた人の割合

日本・・・49.9%
フランス・・・17.6%
スウェーデン・・・4.3%

幼少期の育児は主に妻が担うもの、という考え方を持った人は日本はかなり多いことが分かります。
いまだに3歳児神話もありますし、男性の産休育休の取得が進んでいません。男性の長時間労働も要因ではないでしょうか。これもまたスウェーデンの4.3%には驚きです。

★恋愛に対し(複数回答)「相手からアプローチがあれば考える」を選んだ人の割合

日本・・・40.4%
フランス・・・10.4%
スウェーデン・・・25.5%

★恋愛は面倒だと感じる、と答えた人の割合

日本・・・19.4%
フランス・・・1.5%
スウェーデン・・・14.4%

日本の若者は恋愛にたいして受け身の人が多いことが分かります。最近では恋愛離れが進んでいるとされる日本。「恋愛は時間もお金もかかるからコスパが悪い」「恋愛に関する駆け引きが面倒」などと考える若者の増えていると聞きます。
失敗したくない、傷付きたくないと恋愛を避ける傾向が高まっているのかもしれません。
恋愛しなくても1人で楽しめるコンテンツがたくさんそろっている現代。日本では恋愛や結婚、子どもを持つことは、もはや「皆がするもの」ではなくなってきたようです。

フランス人は恋愛上手で、生活の中に恋愛があることがうかがえます。

「日本の若者はだらしなくなった」と一喝してはいけない!

日本の若者がだらしなくなったのではありません。結婚することや子どもを産み育てることに対し、負担ばかり増え、メリットを感じない社会になっていることが原因なのだと感じます。
20年に渡る政府の少子化対策は残念ながら実を結んでいないようです。これを「若者のせいだ」とするのは間違いでしょう。
結婚や子育てに夢を持てて楽しめる社会になることを願いたいです。

2021年6月12日(土)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/