保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.06.11

コロナ対策 vs 密着濃厚保育 相反する状況の保育園現場

この度、緊急事態宣言が解除され、保育園には子どもたちの明るい声が戻ってきました。しかし、感染防止対策と子どもへの密着度の高い保育や接し方は相反すること。
保育の現場はさまざまな葛藤と戦いながら、試行錯誤で保育を行っているようです。

保育施設ではこんな取り組みをしています

朝日新聞の調査によると、感染拡大を防止するために、保育園は以下のような取り組みを行っている所が多いようです。

①行事を中止する
②密になる保護者会の中止
③行事を縮小する
④密になる職員会議や研修の中止
⑤戸外活動の自粛

また、感染予防のため、現在実施していることについて以下のような回答を得ました。
①換気の頻度を増やす
②職員の手洗い・手指消毒の徹底
③職員のマスクの着用の徹底
④園内の消毒の徹底
⑤園児の手洗いの徹底

保育士さんたちはこんなことで困っている!

保育現場で働く保育士さんには以下のような悩みがあるとのことです。

①乳幼児の保育において、濃厚接触は避けられない
②顔の前で飛沫が飛ぶし、おもちゃをなめたりなどが日常。
③子どもの集団生活のリズムが崩れてしまわないか
④戸外を散歩中に苦情が来る
⑤園の活動に制限が多くなり、子どもたちがのびのび遊べない
⑥通常の保育に戻れる見通しが立たない

マスクで大人の表情がよく読みとれない?

今まで同じ食卓で昼食を摂っていた保育士たちは、少し離れたところで食べながら見守ってるところが増えました。
ただ、月齢によっては介助が必要なケースが多く完全に隔離することは難しいでしょう。
また、大人の表情をよみとってさまざまなことを理解しようとする月齢の子どもたち。マスクで顔が半分以上隠れてしまって表情がよく分からないことがあります。
子どもたちが不安にならないか心配という声も多いです。

子どもたちに適応能力を信じて!

東京大学大学院、発達心理学、遠藤利彦教授は、「子どもの適応力を信じてほしい」と伝えています。
子どもは環境の変化に合わせて自ら遊びを見つけたりできます。子どもの創造力や遊ぶ力を信じてあげることがたいせつとのこと。
マスクで顔が隠れてしまっていても、目で表情を汲み取ることができます。優しいまなざしを忘れないで、と言っています。
むしろ、大人が不安で心配そうな表情をいつもしていることの方がリスク、とのことです。

2020年6月6日(土)朝日新聞朝刊より出典