保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.06.04

長引く登園自粛、親子で行き詰まらないで!

緊急事態宣言が解除され、休業要請対象施設が徐々に再開されるようになってきました。
しかし、依然警戒が必要とされる大都市圏の保育園や幼稚園は登園の自粛が続いているところもあり、親子で行き詰まるケースも出てきてしまいました。
そんな親子をケアをする動きも出ています。

どうしても必要な場合は保育園を頼っていい

自治体の保育園の登園自粛要請は、4月1日付けで発令されました。保育を必要とする保護者として、医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な人、と挙げました。
しかし現実にひとり親家庭など、仕事を休むことが困難な場合もあります。
保育が必要とされる場合は預かること、と加えていますが、実際には自治体が医師や公務員など具体的な職種を挙げ、その他の保護者には自登園の自粛を求める動きが相次ぎました。

行き詰まった保護者もいる

ある関東地方の母親は、子どもが登園自粛に追い込まれ、自身は復帰のめどが立たず、精神的にかなり追い込まれてしまったとのこと。役所や保健師に相談しても解決策はなく、困り果てた末に保育園に電話をかけたとのことです。
ただならぬ雰囲気に保育園側が登園を提案。母親は精神科を受診し、しばらく症状が落ち着くまで短時間で保育園に預けることができるようになったとのことです。
感染リスクももちろんありますが、追い詰められた保護者が倒れてしまうことも大きなリスクです。
保育園側は、「どうしても必要と感じた場合は、保育園を頼っていいのでは」としています。

職業での線引きは現実難しい

保育園側は、保護者の職業を例示して、保育が必要かどうかを線引きすることは難しいと考えています。
保育園を利用している家庭には、両親の就労以外に様々な事情がある家庭も多く、保護者の病気や他者の介護などが理由のこともあるからです。
また登園自粛をはじめると、普段顔を合わせていた保護者同士が合わせなくなり、育児不安や悩みなどを共有する場が減ってしまい、保育に行き詰ってしまわないかも懸念されます。

職業での線引きは本来の保育の理念から外れるのでは?

確かに保育が必要な家庭は多種多様。感染拡大を防止することが大切なのはわかりますが、必要ならば後ろめたさを感じずに利用できる取り組みや雰囲気作りも大切ではないか、と都内で保育園の園長を務める山本慎介さんは言っています。
対応を園任せにするのではなく、行政が支援し、困っている人がきちんと保育を受けられるようにするべきでしょう。

2020年5月25日(月)朝日新聞朝刊より出典