赤ちゃんの発達の見極めや保護者の育児不安に寄り添うために重要な場である自治体の乳幼児健診。
しかしこの度、新型コロナウイルス対応のため、中止に追い込まれる自治体が増えています。
これに危機感を持った専門家たちが家庭でできるチェック法を公開したり、オンラインで相談を受けたりするうごきが出てきました。
母子保護法では1歳半と3歳児に検診が義務付けられている。
自治体によっては1歳半検診と3歳児検診の他にも4ヶ月頃と9か月頃に育児相談の場として検診を行っているところが多くあります。
小児科医で自治体の検診にも携わってきた埼玉県の医師 平岩幹男さんは、この状況を大変危惧し、4月に自身のホームページで保護者向けのチェックポイントを公開しました。
具体的には以下の内容になっています。
●4ヶ月児
・体重が1週間に100g以上増えているか
・抱っこした時に首のぐらつきがなく安定しているか
・股関節の開きが固くないか、左右対称か
●1歳6ヶ月児
・一人歩きができているか。伝い歩きができない場合はかかりつけ医に相談のこと
・意味のある単語が数個出ているか。簡単な指示が理解できるか
・指を差して何かうったえようとするか、大人の真似をするか
●3歳児
・2語文を使えるか、それで相手とやり取りできているか
・家族以外の人と遊んだり言葉を交わしたりしているか
・階段を上る、走るなどができるか。今までできていたことができなくなったら、かかりつけ医に相談のこと。
保護者にとって、自分の子どもがこの範囲に当てはまらない時には非常に不安を覚えます。それが個人差の範囲なのか、心身の発達の遅れなのか、何か病気が隠れているのか判断がつきません。
すぐにうちに子は異常ではないか、と考えるのは早合点。まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
LINEやZOOMでの相談も
助産師たちによる産後のケアを行ってきた「BABY BOOTH」という団体があります。ここでは4月中旬からLINEを使った無料相談を始めました。
これまでの経験から、保護者の悩みや不安に寄り添うことがいかに大切かを感じているそうです。
また、顔を合わせて話をしたい、という保護者もいます。そんな保護者には無料アプリ ZOOM を使って相談にも応じているとのことです。
助産師オンラインカウンセリング「BABY BOOTH」
https://babybooth.jp/
自治体で保健師として働くMakoさんは、検診が中止になっていらい、相談が相次いだとのこと。そこでSNS「@makosodate」を通じてイラストを投稿しています。
ここでは普段から聞かれることの多い事例、例えば、乳幼児の感染症防止方法や哺乳瓶の取り扱い方などを発信しています。
保健師Makoさんのtwitter
https://twitter.com/makosodate
2020年5月21日(木)朝日新聞朝刊より出典