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2023.10.21

プリスクール 子どもをよく見極めて

近年、未就学児を英語の環境で育てるプリスクールが人気です。費用はかなりの高額ですが、都市部から全国に広がり、現在は日本全国に約800園ほどあるそうです。
「幼少期から英語を身に付け、将来はグローバルに活躍できる人材に・・・」親の期待は膨らみますが、子どもによっては相当のストレスを感じていることもあるのだとか・・・
※2023年10月8日 朝日新聞朝刊より

そもそもプリスクールって?

「幼稚園」や「保育園」を指す英語(preschool)で、日本では主に英語で保育を行う未就学児向けの施設を総称して言います。
費用はかなりの高額で、年間で150~200万円程度。中には500万円もかかる施設もあるそうです。
カリキュラムは施設によって様々。設置形態も認可保育園だったり、認可外保育園だったり。中には私塾のようなところもあるそうです。
国としては明確に定義をしているわけではなく、施設数なども把握していないそうです。

1900年代から爆発的に増えた

プリスクールは1900年代から急速に増え始めました。まずは首都圏や関西圏で広がり、今現在は北海道から沖縄まで約800園、6万人が通園しているのだとか。
ここ5年で200園ほど増えており、少子化もあって競争は激化。一部では大手の寡占が進み、小規模園が突然閉鎖され、保護者が困った事例などもあるそうです。
近年は少し新規開園のスピードは落ちているとのことです。

パワーカップルを想定

パワーカップルとは夫婦共に年収が700万円以上の裕福世帯。プリスクール活況のけん引役とされています。
2022年のパワーカップルは約37万世帯。全世帯の0.6%にあたります。2013年の21万世帯からどんどん増えているそうです。
パワーカップルは夫婦ともに高学歴で日ごろから仕事で海外とのやり取りがあったりし、グローバル化やIT化に直接向き合っているため、英語教育への熱はとても高いです。日本の裕福層の間ではプリスクールの需要はますます高まっていくでしょう。

国際バカロレア(IB)教育を取り入れているところも

ある都内の女性は現在小学生の娘が4歳の時にプリスクールに入園させたそうです。国際バカロレア(IB)教育の方針が自分たち夫婦の教育方針と重なったからだとか。
子どもをインターナショナルスクールに入れる想定で系列のプリスクールを選んだそうです。高校を卒業するまでの学費がざっと見積もって5千万円。その女性は「共働きでも大変な金額なので、子どもは1人と決めた」そうです。

強いストレスを感じる子どももいることを忘れないで

英語だけの環境が子どもにとってかなりストレスになることもあるそうです。別のある母親は、子どもが2歳の時にプリスクールに入園させましたが、進学先を確認した時、「英語だけの学校は絶対に嫌だ!」と抵抗されたそうです。
慶応大学の大津由紀雄教授(言語の認知科学)は、「母国語が確立していない子どもに、大人が英語だけの環境を人為的に与えるのは、良いことなのだろうか?」と問いかけます。
また「まずは母国語である日本語の仕組みや働きを理解することが重要。外国語を本格的に学ぶのは中学校からでも決して遅くはない」と語っています。