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2020.10.08

増えている多胎児 妊産婦を支援する動き

最近よく見かける双子ちゃんや三つ子ちゃん。昔に比べて増えていると言われています。
この度、多胎児の妊産婦の支援が広がる動きがでてきています。
保育園でも多胎児を抱える保護者の支援につなげられればいいですね。

増えている双子や三つ子

子どもは一人育てるだけでも大変。不安やストレスと日々戦う両親、特に母親は時には心身のバランスを崩すことさえあります。さらに双子や三つ子となると、その大変さは想像を絶するに値します。
近年、結婚年齢や出産年齢の高齢化が進み、不妊治療をする人が増えました。それと同時に、多胎児を妊娠・出産する女性は増えています。
この度厚生労働省は、双子や三つ子などの多胎児を産む多産妊婦への支援を厚くする方針を打ち出しました。
背景には、多胎児を育てる家庭は負担がとても大きく、孤立してしまうこともあるためです。

育児サポーターの補助を拡充する予定

具体的には、自治体が派遣する保育サポーターの事業の補助や、妊産婦検診の費用を補充することなどで、2021年度の政府予算の概算要求に盛り込む予定です。
現在各自治体は、多胎児を育てる家庭にサポーターを派遣し、産前産後の外出時や日々の育児を支える事業に取り組んでおり、厚生労働省が今年度から費用の一部を補助しています。
補助額はどの自治体も一律で月額408,800円。来年度から規模の大きな自治体への補助額を引き上げます。
そうなれば、人口規模に応じて補助を手厚くすることができ、支援が受けやすくなります。
現在厚生労働省は、産む子どもの数にかかわらず、妊産婦費用を14回分補助しています。しかし、多胎児を妊娠する妊婦は検診の回数が多くなるため、さらにプラス5回分の検診費用、1回5000円を補助するしくみにします。

睡眠不足や産後うつに悩む親を社会全体で救おう!

2019年に生まれた多胎児は17,402人。この20年で全体の出生数の2%前後で推移しています。
不妊治療のため、排卵誘発剤を使ったり、体外受精で一度に複数の受精卵を子宮に戻したりする場合、多胎児を妊娠する可能性が高まります。
多胎児は授乳やおむつ替えの回数が増え、睡眠不足が続き、うつ状態になる親も多いとのことです。
また、低体重で産まれるケースもあり、両親の負担は相当なものです。
2018年、愛知県で母親が生後11か月の三つ子の次男を死なせてしまった痛ましい事件が起きました。
子どもを育てた経験のある人からは、「母親だけを安易に責める気持ちにはなれない」という声が多く聞かれました。
もっと支援が広がることを望みたいですね。

2020年9月24日(金)朝日新聞朝刊より出典