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保育業界2026.06.25

世界の子育て比較から考える普通に縛られない親子の向き合い方

子育てに悩むと、つい正解を探したくなります。
世界の子育て文化を知ることで、日本の育児や保育を少し違う角度から見つめられそうです。
(※2025年12月10日の朝日新聞の記事を参考にしています)

■子育ての大変さはどこでも同じ

漫画家の織田博子さんは、コミックエッセー「世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった」で、世界各地の子育て文化を描いています。
きっかけは、編集者からの「子育てが大変」という声だったそうです。
夜泣き、仕事との両立、保育園探しなど、子育ての悩みは尽きません。
私も周囲の子育て中の人から、寝不足や手続きの多さに疲れている話を聞くことがあります。
どこかにもっと楽な方法があるのではと思いたくなる気持ちは、とても自然だと感じます。

■「楽な子育て」は環境によって変わる

織田さんは、楽な子育てがあるのかという疑問を持ったと話しています。
たとえば、欧州には湯船に入る習慣が少ない地域があり、水が十分にない環境で暮らす人もいます。
何を楽と感じるかは、資源やインフラ、生活環境によって変わります。
ある文化から見て「楽そう」「大変そう」と決めつけることには、注意が必要なのだと思いました。
日本の子育ても、行政手続きや保育園探しは大変です。
一方で、社会福祉の制度や手続きのルートがあるからこその悩みでもあるという視点は、少し考えさせられます。

■世界を見ても悩みはなくならない

織田さんは、漫画を描くためにアフリカ、欧州、東南アジアなどの約40人に話を聞いたそうです。
その中で、「子育てが楽で楽しい」と言う人はいなかったといいます。
世界中のどこかには、何でもうまくこなす理想の親がいるように思ってしまいますが、それは幻想なのかもしれません。
この話を聞くと、完璧にできない自分だけが悪いわけではないと感じられます。
保育士を目指す人や保育の仕事に関わる人にとっても、家庭ごとの大変さを決めつけずに見ることは大切だと思います。

■子育ての形には実用的な理由がある

子ども部屋の考え方にも、文化による違いがあります。
欧州などでは、赤ちゃんのうちから子ども部屋を設ける文化が多く見られます。
日本では、自立心を育てるためと説明されることがあります。
しかし、室内でも靴を履く文化では、子どもの行動範囲を区切ることで衛生を保ち、安心して遊ばせやすいという実用的な理由もあります。
こうした背景を知ると、子育ての習慣は理念だけでなく、暮らしの条件から生まれているのだと分かります。
表面だけを見て真似するのではなく、理由まで知ることが大切だと感じました。

■「普通」を疑うだけで気持ちは軽くなる

子育て中は、親や経験者から「こうするべき」と助言されることがあります。
もちろん助かる言葉もありますが、その人の経験がすべての家庭に当てはまるとは限りません。
織田さんは、人々が考える「普通」は、個人の意見であることも多いと指摘しています。
ベトナムでは、1歳にならないうちからおむつを卒業することも多いそうです。
外でももらすことがありますが、社会が子どもはそういうものだと受け止めているといいます。
日本で同じことをするのは難しくても、子育ての正解は一つではないと気づくきっかけになります。
子育てや保育に関わるとき、「普通とは何か」と一度立ち止まるだけで、親子の気持ちは少し軽くなるのではないでしょうか。