保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.10.15

古くて新しい・・・離婚後の養育と面談の問題

古くて新しい問題である離婚後の子どもの養育問題。結婚が破綻した夫婦の子どもの養育について、法務省も参加する研究会が議論を深めています。
子どもにとって本当に望ましい子ども目線での養育制度について改めて考える必要があります
保育園にはひとり親家庭の子どもが多く通園します。悩んでいる父母がいるかもしれません。

離婚した夫婦の子どもの親権・養育費・面談の問題

離婚して父母のどちらか片方が子どもを連れて別居した場合、もう片方の親と会えなくなったりすることがあります。養育費が払われないケースがしばしば。
「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(略して親子ネット)会員512人」が、9月半ばに東京都内で記者会見を開きました。
これには離婚によって子どもと引き離された母親23人が参加しました。

以前は父親が多かったけれども最近は母親が増えている

日本では1960年半ばから母親が親権を持つ離婚が増えてきて、全体の9割にのぼります。
親子ネットは、従来は子どもと合えない父親の会員が主流でした。しかし近年は母親の会員が主流で、全体の3割を占めます。
アンケートに協力した母親50人のうち、自分が主な教育者だった人は90%。夫から暴力を受けていた人は76%もいました。
家庭裁判所の手続きなどで子どもの引き渡しを求めたのは42人おり、その中で本当に引き渡されたのは3人だけという驚きの少なさです。

子どもを手元に確保さえすれば有利?

親子ネットの代表 武田典久代表は、「子ども手元に確保すれば、監護の継続性ということで、親権や監護権を獲得するうえで有利になる、という情報が広く知られるようになった。そのため、父親による連れ去りが増えたのではないか」と話しています。
日本の離婚で多いのは、親権者を決めて提出するだけの協議離婚。全体の9割を占めます。
民法では、離婚する時に父母との面会や交流、養育費の分担を協議する、と定められてはいるものの、強制力はありません。
家庭裁判所の調停や審判で取り決めをする人はわずかにすぎません。

隣の韓国では一歩進んだ制度が進み始めた

隣の韓国では2008年から親子が会う日程などを書面にし家庭法院に提出することを義務化しました。また、子どもの心に寄り添うための親教育も受けなければならなくなりました。離婚の相談も家庭法院で受けられます。

日本の協議離婚は当事者の協議に委ねられており、実際には話し合いができていないことが多いようです。
離婚が子どもの心理状態与える影響や基本的な情報を父母に提供して、各自治体が離婚相談に対応する仕組みが作れれれば理想と立命館大学の二宮周平教授は話しています。
いずれにせよ、子どもにとって最善の方法は何かを第一に考えてほしいです。

2020年10月7日(水)朝日新聞朝刊より出典