保育士資格合格パーフェクトナビ

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2019.08.22

保育士も知っておきたい「労働基準法」

労働基準法は労働者を守る、自分を守る「法律」です。残業とはどこからが残業なのか、適正な給与はどれくらいなのか。正しい知識と認識を持っていきましょう。

・変形労働時間制について

労働基準法では、1日8時間、1週間に40時間を超えて労働させることを禁止しています。それでは労働時間を超えた時間は時間外として換算されるのかというとそうはいかない場合があります。それが「変形労働時間制」というものです。

これは何かと言うと、月当たりの週の平均労働時間が週法定労働時間の枠内に収まっていれば、1週または1日の法定労働時間の規制を解除することを認める制度です。
例えば、単位期間(適応期間)を4週間とした場合、月末の週だけ所定労働時間を短くすることによって最終的にその月の週あたりの平均労働時間が40時間以内に収まっているのであれば、労働基準法を違反していないものとして扱われます。

例えば、行事前などはとても忙しくなる保育園が多いです。しかし、この制度を使うことによって保育士に時間外労働をさせることなく多くの時間を行事前に充てることができます。他にも繁忙期に応じて所定労働時間を変化させることができますので、閑散期の労働時間を減少させることによって労働時間の短縮を図ることもできます。

つまり、変形労働時間制のもとでは単位期間内の労働時間が平均して週40時間を超えなければ、1日8時間や1週40時間を超える労働も時間外労働とはなりません。

では、時間外労働とはいつつくのか。

①1週40時間・1日8時間の範囲内で所定労働時間が定められている週や日について、週40時間、1日8時間を超える労働が時間外労働となります。
②1週40時間、1日8時間を超えた所定労働時間が定められている週や日についてその定められた所定時間を超えた場合に時間外労働となります。
③1週40時間、1日8時間を超えない労働および時間外労働となる部分を除いたものについても単位期間全体の総労働時間が同期間の法定労働時間の総枠を超える場合には時間外労働となります。

・時間外労働の割増賃金(計算方法)

労働基準法をもって考えると、変形労働時間制を用いていない限りは週45時間の労働は5時間分時間外作業が発生し、その分ン手当がつくのが妥当です。
時間外労働の場合、通常の労働時間でもらっている給与の2割5分以上の率で計算した割増賃金、休日労働の場合は通常の労働時間の賃金の計算額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(労働基準法第37条 参考)

5時間の時間外労働の場合、保育士さんの時給が1000円だとすると
(1000円×1.25)×5時間=6,250円
の時間外手当が発生します。

数字の計算となると難しく、面倒にもなりますが知っていて損はないのでしっかりチェックしておきましょう。