保育士資格合格パーフェクトナビ

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試験2018.06.19

神奈川県では年3回の受験チャンス!地域限定保育士

保育士は国家資格です。ですので、保育士になるにはただ「子供が好き」というだけではなく、国が保育をどのように考え定めているのか、保育士に何を求めているのか、を理解する必要があります。「保育原理」は、そのことについて深く学ぶ科目です。現在だけではなく、どのような経緯で現在の保育があるのか、それに至ってはどのような歴史上の人物が何を提唱してきたのかを知ることで、今まで以上に保育について深く理解できるようになります。

これは保育に限ったことではなく、あらゆる学問においてその歴史を知ることはとても重要です。「だからこうなったのね」とストンと落ちていくような感覚、点が線になるような感覚に繋がれば心底理解でき勉強に向かうモチベーションも上がり易いのではないでしょうか。

保育関連の法律について簡単にまとめてみました。

1、児童の権利に関する条約

1、ジュネーブ宣言 1924年 国際連盟
第一次世界大戦にて多くの子どもたちを失った反省から宣言された。
子どもには最善のものを与え保護していかなければならない

2、児童の権利宣言 1959年 国際連合
ジュネーブ宣言を元に新しく宣言されたもの。
教育への権利や差別禁止などを強調している。

3、児童の権利に関する条約 1989年 国際連合 採択
今までの「子どもは保護される存在」から子ども自ら権利を持つ存在ということを条例として定めた。

ここで注目すべき点は、子どもは「保護する」対象から、「自ら権利を持つ」・自由を持てる対象に変わったというところです。
日本は1994年にこれを批准しました。

2、児童憲章

1951年(昭和26年)5月5日
日本国憲法に基づき、1951年(昭和26年)5月5日に制定されました。
こどもの日が児童憲章制定の日だったこと、知っていましたか

・児童は、人として尊ばれる
・児童は、社会の一員として重んぜられる
・児童は、よい環境のなかで育てられる

3、児童福祉法

1947年(昭和22年)制定
児童の福祉に関する総合的な基本法です。社会福祉六法と呼ばれる福祉に関する法律の一つとして知られています。
戦争により親を失った戦争孤児たちの保護を目的として、子どもたちを育てる基本方針として作られた法律です。社会の変化とともに児童観も変化、1994年には児童の権利に関する条約に批准しました。時代とともに、児童は保護される対象から権利を保障される対象へと児童観も変化、2016年に児童福祉法に反映されました。

   第1条   
すべて児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保証される権利を有する。

児童福祉法は、8章73条の条文から成っていますが、「保育士資格」とは何か、児童福祉法の中に記されています。「保育士」は、保育士資格を持っているものでなければ名乗れません。保育士資格を持っていなくても保育の仕事をすることはできますが、「保育士」という名称を使用してはいけないのです。それについても児童福祉法に決まりとして記されています。

2003年(平成15年)には、核家族化が増えている現状を踏まえ、少子化対策の一環として子育て支援事業が制度化されました。その後もニーズの多様化に対応するために事業が加えられていき、制度もどんどん整備されています。

5、全国保育士会論理要領

2003年(平成15年)
保育士は、これから人格が形成されていく子供たちに発達の援助をすることを職とし、同時に保護者にも必要に応じて適切な指導をすることが義務付けられています。そのため、保育士はいつでもその役割や社会的責任があることを常に自覚し行動することが求められているとして、全国保育士会により文章としてまとめられました。

6、認定こども園法

2012年(平成24年)8月
子ども・子育て関連3法の一つです。現代の社会的な問題になっている「少子化」「核家族化」「待機児童」などに対応するため、国や地域で子育てを支援していくことを目的として、制定されました。認定こども園法では、幼児期の学校教育・保育、地域の子供・子育て支援を総合的に推進していくことが記されています。

認定こども園法は略称であり、正式名称は「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」です。認定こども園は、簡単にいうと幼稚園と保育園を合体させたもの、となります。幼稚園の「教育」と保育園の「保育」をともに提供していく新しい教育施設です。認定こども園法では、認定こども園として認定を受けるための手続き、学級編成や施設の設備、運営の基準などの規定が書かれています。