保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.01.30

知らない人が赤ちゃんに触ってきたら嫌?気にしない?

保育園では日々お友達や保育士さんと触れ合いながら成長していきます。
保育園でよくある日中のお散歩。通りがかった高齢の方が「かわいいわね」と触ってくることもあるでしょう。そんな時、いきなり「やめてください、触らないでください」とも言えず・・・

悪気はないけど、つい可愛くて触りたくなり・・・

2019年12月のある「声」欄に、「病院の待合室で断りもなしに生後6か月の赤ちゃんに触ってくる高齢女性にとまどった」という意見が乗りました。
その女性は「断りもなしに勝手に触らないでほしい」と意見を述べました。
後日この件についてさまざまな人から投稿がありました。同意する母親もいれば、神経質すぎる、という人もいました。

赤ちゃんは産まれてくるときに母親から免疫を受け継いで生まれてきます。そのため、生後6ヶ月頃までは病気にかかりにくいと言われています。
しかし生後6ヶ月を過ぎると徐々に免疫がなくなり、病気にかかりやすくなると言われています。
この女性が連れていたのは生後6ヵ月の男の子。ちょうど病気や感染症に神経質になる月齢です。

スキンシップはいいことだけれど

赤ちゃんに話しかけるとき、触れ合いながら話しかけるのと触れられずに話しかけられるのとでは、違いがあります。
触れられながら話しかけられた方が、言語の処理をつかさどる脳の部位が活発に動くことが分かっています。
スキンシップをしながら話しかけられるのは言語の発達を促すことにも繋がります。
しかし、他人にいきなり赤ちゃんに触られると、抵抗を感じる母親がいるのは当然。大人だって他人同士ではむやみに触り合ったりしません。子供もおなじ、と考えた方がいいでしょう。

オキシトシンは攻撃性も高める

オキシトシンというホルモンは子供への愛着や愛情を高めるホルモン。別名愛情ホルモンとか幸せホルモンなどともよばれ、哺乳動物の出産や授乳時に多く分泌されます。
そのオキシトシンは、見知らぬ人に対し攻撃性を高める働きもします。
例えば犬の場合、「子犬に触ろうとしたら母犬に咬まれた」などとよく聞きますがこれは当然のこと。我が子を守ろうとする母親のホルモンの働きも影響しています。

触りたくなったら「一言掛ける」。触ってきたらら「声かけして」と伝える

子供が多かった時代、近所の子が我が子を抱っこしたりあやしたりする光景は普通に見られました。しかし急激な少子高齢化が進む日本。乳幼児を抱える母親の孤立化も問題視されています。
社会全体や地域全体で子育てを見守ろう、という意識が薄れてきています。そのため、母親が周囲に警戒心を抱くのは当然かもしれません。

可愛い赤ちゃんに触りたくても、必ず一声かけること。また、いきなり触ってきた人には「触る時にはひと声かけて」と伝える勇気も必要でしょう。
はっきり言いにくい時は「ごめんなさい、病気が治ったばっかりで抵抗力が弱くて」などやんわりと逃げることもあり。「ちょっと電話してきます」など、その場を逃れるのもありです。

2020年1月24日(金)朝日新聞朝刊より出典