保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.03.19

男性の育休取得はプロ野球のキャンプみたい?

雇用均等基本調査の数値を見ると、男性の育児休業の取得率は2018年度で6.0%。まだまだ諸外国に比べて低いのが現状です。
保育士をしていると、父親の育児参加がどのくらいなのか、子供の扱いを見れば分かるのではないでしょうか。

話題になるほど珍しい小泉進次郎環境相の育休宣言

記憶に新しい、小泉進次郎環境相の閣僚初の「育休取ります」宣言。何かと話題に挙がる人なので、他の大臣が取得するのとは意味が違うことを、ご自身も世間もわかってはいます。
しかし一方で、話題になるくらい珍しいということなのでしょう。取得が一般的なことであれば、話題にも上らないはずです。
女性の国会議員が産休・育休を取得するのも珍しいのが日本の現状です。男性の育児休暇取得が普通になるのはまだ先の未来、という思いがします。

今回小泉環境相が取得することに対し、一部の人達からは「大臣になって間もない大切な時に何をぬかしている!」とおしかりの声もあったそうですから、まだまだハードルは高いのでしょう。
ただ、小泉環境相は妻の滝川クリステルさんが高齢出産であること、双方の両親も高齢であることなどから、取得を決意したようです。
本人の「まさかこんなに話題になるとは」と言っていました。
本人は仕事の様子を見ながら計2週間くらい取得する意向と伝えています。

もしかしたら働くほうが楽?

ただでさえ人手不足の日本。育児休業中のことを考えると頭が痛いのは分かります。
休業中は自分の仕事を誰が引き継ぐのか。その人の負担が増えてしまうのではないか、という懸念。
また、育児休業を取得したら自分のキャリア形成に影響が出るのではないか、給与や出世に響くのではないか、という懸念。
周りはどう思っているのか、上司や同僚の顔色はどうか・・・
あまりにも多くのことが頭の中を中を駆け巡り、結果、「働いていた方が楽じゃないか」となってしまうのでしょう。
こんな苦労をして周りに気を使わなければならないのであれば、取らない方がマシ、となるのでしょう。

男性の育休はプロ野球のキャンプのよう?

これからの長いペナントレースを戦うべく、体づくりから始めるキャンプ。子育てもこれから果てしなく長い間行われる訳なので、戦い抜く力や対処方法を学ぶのが目的なのかもしれません。
最初はこの球で打ち取れたバッターも、研究してくると利かなくなる。赤ちゃんも同じで、こちらのあやし方が上手になり、おむつ変え・ミルクあげのレベルが上がったら、すぐに次のレベルに行ってしまうのが赤ちゃん。気に入ったおもちゃでおとなしく遊んでいたと思ったら、もう飽きてしまい、泣きわめく・・・とにかくこちらが日々創意工夫するスピード以上にものすごい早さで成長するのが赤ちゃんなのです。

まともにキャンプに参加してない助っ人が途中から入っても、公式戦が始まって活躍するのは難しいです。
また引退後、妻との生活やセカンドキャリアも思うようにいかないかもしれません。男性も育児現役時代を妻との二人三脚で乗り切らなければならない、ということなのでしょう。

2020年2月29日 朝日新聞朝刊より出典