保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.05.07

身体は離れていても、心の距離は保とう-フィジカルディスタンシング

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、ソーシャルディスタンスという言葉が浸透しています。人との距離を2m開けよう、という考えですが、フィジカルディスタンスという言葉の方が妥当では?という意見も出てきました。

ソーシャルディスタンス=社会的距離

最近は「ソーシャルディスタンシング」と、後ろに「ing」を付け、「社会的距離の確保」という言葉が使われ始めています。
4月に発令された緊急事態宣言。人との接触を8割減らすことで、感染の拡大を減らそうという試み。
在宅勤務の推奨や、学校の休校、大規模イベントの中止、飲食店利用基準の制限など、経済的に大きな打撃を伴うものですが、感染をこれ以上広がらないようにしなくてはなりません。
特効薬もワクチンもない未知のウイルスですから、このまま爆発的に感染者が増えてしまったら医療崩壊を招きかねません。そのためにもソーシャルディスタンシングは有効です。

尾木ママも推奨する「フィジカルディスタンシング」という概念

ソーシャルディスタンシングという言葉ではなく、フィジカルディスタンシングという言葉を使おう、という動きが出てきています。
これは、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんも推奨しています。
https://ameblo.jp/oginaoki/entry-12594011764.html
ソーシャルディスタンシングとは、社会的距離の確保、という意味。人々の実際の距離も心の距離も両方離れてしまうような意味に取られます。
一方で、フィジカルディスタンスは物理的距離・身体的距離の確保という意味。これであれば、物理的な距離だけ離れても、心の距離は保とう、人とのつながりは維持しよう、という意味を含みます。
WHO(世界保健機構)も、人々の社会的な関係性は維持すべき、としています。
体と体の距離はあけても、電話やメール、メッセージを使って今まで周りにいた人とのつながりや関係性は維持しよう、という考え方です。

保育園では難しいけれども

実際に保育園では子供同士は密着して過ごすため、なかなか離れて過ごすことは困難です。保育士もいつもと同じようにたくさん抱っこしてあげたいでしょう。
乳幼児の成長過程では、信頼できる大人とのふれあいはとても大切。触れ合えないことによる情緒の発達の影響の方が大きいともされています。幸い乳幼児は新型コロナウイルスにかかっても軽症の場合が多く、あまり気にせず過ごした方がいいでしょう。

街中で会ったら離れよう

両親と出かけている時、保育園のお友達に会うことは良くあることです。しかしそんなときも、近寄って話をすることは避けましょう。
少し離れて手を振る、あいさつをする、という程度にしましょう。
子供には、「今はお友達とは離れていないといけないんだよ」と説明するしかありません。
言葉の分からない乳幼児の場合は難しいかもしれません。しかし親が手本となることこそ基本。子供はいつも親の背中を見ていると思って過ごしましょう。

 

2020年5月4日 朝日新聞朝刊より出典