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2020.09.03

ポリオがアフリカで根絶。この経験はコロナ対策にも生かされています!

人類が今までに根絶できたウイルスはただ一つ、天然痘。それに次いで根絶を目指しているのが「ポリオ-小児麻痺」です。
この度WHOは、日本時間の8/26日、アフリカでの根絶を宣言しました。

日本では四種混合ワクチンとして、生後3ヶ月頃から公費で接種できるようになっています。

保育園では、予防接種明けで体調を崩す子どももいますので、注意してみておくことが必要です。

ポリオ-小児麻痺とは?

人の便から別の人の口に入ることで感染するポリオ。手足にマヒが出ることがあり、日本では小児麻痺とも言われています。
日本では1960年に大流行しましたが、野生株の患者が発生したのは1980年が最後となっています。
かつて日本でも使われており、現在も途上国で使われている、弱毒ウイルスを使った生ワクチンからまれに発生するワクチン由来の患者も課題ですが、問題は野生株のウイルス。
野生株ウイルスに感染した患者が3年間出ないことが、根絶の条件となっています。

残るはパキスタンとアフガニスタン

残るは2か国になった野生株のポリオ患者。基本的にワクチンの接種で徹底的に追い込みました。
しかし、現在も武装勢力の支配地域となっており、子どもにワクチンを接種する環境が難しい現状があります。
また、ポリオ患者の感染者の発生の監視は、現在の新型コロナウイルス対策にも通じる部分があるとされ、専門家は注視しています。

WHOは1988年に世界での根絶を目指すと決めました。その時点では125か国に患者がおり、年に35万人と推定されていました。
この度、アフリカのナイジェリアで2016年8月を最後に、野生株の患者が確認されていないこともあり、根絶宣言に至ったようです。

日本のJICA(国際協力機構)も協力してきた

ポリオの予防はワクチンの接種がかなり有効です。そのため、ワクチンが行き届いていなかった国へ、ユニセフやJICA、ビル&メリンダゲイツ財団が子どもへの接種をしてきました。

感染の動向の素早い把握は、コロナ対策にも通じる

今まで、下水や川など環境の中にあるウイルスを監視しマヒの出ている子どもがいないか調べ、感染者がいる地域を絞って重点的にワクチンを接種するようにし、感染対策をしてきました。
新型コロナウイルスと単純に比較はできませんが、感染動向の把握については、教訓が生かされている、専門家は言います。

ポリオは、数百人が感染してマヒが出るのは一人程度。隠れた感染者を探すことがとても重要になります。
新型コロナウイルスも、無症状患者が多い病気。隠れた感染者を探すという点ではとても似ているとのことです。

新型コロナウイルスでは、濃厚接触者にPCR検査をしたり、発熱などの症状のある人から感染者を見つけ出したりするところが似ています。

2020年8月27日(木)朝日新聞朝刊より出典