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2021.04.03

イギリス発、画期的な離乳食の考え方「BLW」とは?

一般的に生後半年くらいから始める離乳食。親にとっては悩みが尽きません。
イギリスでは最近、画期的な離乳食の考え方「BLW」が主流となっていて、日本でも実践するママパパが増えています。
大きく違うのは、離乳食=親が主導 なのに対し、BLW=赤ちゃんが主導 であること。具体的に見ていきましょう。

タレントの鈴木亜美さんは次男の離乳食で実践!

鈴木さんは現在2人の男の子のママ。長男の時は従来型の離乳食を実践したそうですが、次男の時は「BLW」を実践したとのことです。
次男にはそのやり方がとても合っていたようで、今でも好き嫌いがなく、自分から食べようという意欲が旺盛だそうです。

子どもの性格によって、何でも臆せず口にする子と慎重でなかなか口にしない子がいるので、BLW=何でもよく食べる と単純には言えませんが、親にとってはとても嬉しいことです。

BLWとは、Baby(赤ちゃん)、Led(主導)、Weaning(乳離れ)

BLWとは簡単に言うと、肉・野菜・果物など細かくせず、柔らかくゆでて手でつかめる大きさに切り、お皿に並べるだけの離乳食。
これだけ聞くと少し乱暴に感じますが、肝心なのはその後で、赤ちゃんが自分で食べたいものを選んで、手づかみで自分の口に運びます。

従来はスプーンで親が口まで運んであげましたが、赤ちゃん自身が自分で食べたいものを選び、手でつかみ、口に運んで、好きなだけ食べる、という点が全く違います。
イギリスでは「自立心が芽生える」「手先が器用になる」と推奨されています。

始まりは2002年頃、イギリスの1人の保健婦が考え出した

従来の離乳食の方法は、肉・魚・野菜などを月齢に合わせて柔らかく煮て、月齢が上がるとともに徐々に固さやあげる回数を増やしていきます。さらに親がスプーンで口元まで運んであげる必要があります。

従来型の離乳食の問題点は、親子で一緒に食卓を囲むことが難しい点です。

赤ちゃんだけ別の時間に1人だけで食べさせることが多く、赤ちゃんが思うよに食べてくれないと親はストレスを感じます。そうすると、次第に表情がけわしくなったり無理やり口に運ぼうとしたりしてしまいます。
その点、BLWは親子で一緒に食卓を囲むという点を重要視しています。
親も食事を摂りながら、赤ちゃんのことを見守るだけでいいのです。食事は家族で楽しく食べるという雰囲気や空気感は、言葉の分からない赤ちゃんでもじゅうぶん感じ取っているのではないでしょうか。

赤ちゃんだって自分のペースで自分の食べたいものを決めたい!

先にも記したように、BLWが最も大切にしていることは、赤ちゃんも含めた家族皆で食卓を囲むこと。手づかみ食べなので多少の汚れや気にしないであげることも重要です。
離乳食が作業時間になってしまっているママ・パパも多いでしょう。BLWを取り入れることでママ・パパのストレスが減り、赤ちゃんに笑顔を向けられることが増えれば、とても意味のあることなのではと感じます。

ここは注意して!BLW

●誤嚥(ごえん)に注意!
食材は柔らかく茹でることが基本です。

●アレルギーに注意!
アレルギーが発症しやすい食物をあげる場合、親がきちんと見守り、食後の子どもの体調に変化がないかを確認しましょう。

●栄養の偏りに注意!
赤ちゃんに自身にも好みがあり、好きな味や食感の物は好んで手に取るのですが、それ以外の物はあまり興味を示さないこともあります。
このままだと栄養が偏ってしまうため、いろいろな食材を並べたり、時には従来型の離乳食と併用したりして工夫しましょう。

決まりごとだらけで窮屈な離乳食タイムをもっと楽しくしよう!

従来型の離乳食は、量や固さやあげる回数など、とにかく「~しなければならない」ことばかりで、義務感や強制観念を感じ、窮屈に思うママ・パパも多いです。
本来食事は家族で楽しく摂るものという基本的なスタンスを大切に、離乳食タイムがもっと楽に楽しくなればいいですね。

2021年3月20日(土)朝日新聞朝刊より出典