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2021.02.20

気付かれていないニーズを掘り起こそう!銭湯に託児所

日本全国で銭湯の数は減っています。しかし託児スペースを設置し、成功している銭湯もあるとのことです。

地域に根付く取り組みを続ける銭湯

厚生労働省の調査によると、1988年には日本全国に12625軒もあった銭湯は、2018年には3535件に減り、約30年で1/4になってしまったとのこと。一方でスーパー銭湯などの大型の浴場は増えています。
そんな中、地域に根付いた取り組みをし、営業を続けている銭湯もあります。

横浜市鶴見区の「いやさか湯」は託児スペースあり

いやさか湯では2020年9月に託児施設を始めました。入り口には「0歳~2歳 1時間500円」と張り紙があります。
ロビーの横の休憩室用の座敷に柵やベビーベッドを置いて子どもを預かります。新規に専任の保育士をアルバイトで雇いました。
認可保育所ではありませんが、銭湯の利用以外でも利用できます。保護者は仕事以外の用事やリフレッシュでも利用できます。
利用できるのは平日の日中。3歳以上の子どもでも相談に応じています。

もともとは子育て中のスタッフが働きやすいように計画

保育園に入りにくいのは首都圏共有の悩みでもあります。地域に開かれた託児所にすれば、銭湯を知ってもらうきっかけにもなります。

これからの銭湯は気付かれていないニーズを掘り起こす必要がある!

いさかや湯の運営会社シュリーマンの平野社長は、2008年に同社を起業し、全国の温浴施設に関わってきました。
銭湯の経営の受託して、その厳しさを感じたそうです。
時には数千万円の設備投資がかかりますが、首都圏でも十分な利益を上げるのは難しいと言います。銭湯を維持するには、風呂だけではなく「気付かれていないニーズ」を堀りおこさないとだめだと感じたそうです。

子ども食堂も併設

いさかや湯では、子ども食堂も開き、小学生だけで食事と入浴が済ませられるようにしました。
アカスリでは高齢者向けに送迎も行うようにしました。また、コロナ禍で自宅で食事を取る人が増えたため、併設の食堂では手作り弁当の宅配も始めました。

銭湯の新しい取り組みはさまざま

近年、サウナ好きの若者が銭湯を利用しているそうです。ランニングを楽しむ人にロッカーを貸す「ランナーズ銭湯」も普及しはじめており、首都圏を中心に明るい兆しもあります。
地域の人々の触れ合いは他の温浴施設にはない銭湯の良さでもあります。子どもたちが将来やってみたいと思える仕事にするのが平野さんの夢だそうです。

2021年2月13日(土)朝日新聞朝刊より出典