保育士資格合格パーフェクトナビ

保育士資格合格パーフェクトナビ
2020.09.10

3年連続で減少した待機児童、でも1.2万人もいる現状

9月4日に厚生労働省が発表した、2020年春時点での待機児童数は、12,439人となりました。これでも安倍政権下では半減しています。
目標は待機児童ゼロでしたが、在任中に達成できませんでした。

アベノミクス政策で女性活躍をうたうも保育士の離職が最大の問題

アベノミクスの看板政策の一つにあったのが女性活躍。大幅な待機児童の受け皿拡大を進めていました。
しかし、園の設置基準や保育士の配置人数など規制緩和の側面も強くあり、現状に疲弊した保育士の離職が定員確保の足かせになってしまいました。

それでも「隠れ待機児童」は84,850人!?

「特定の園のみ希望している」として、育休を延長している児童は、待機児童の定義から外れます。
これを隠れ待機児童といい、全国に84,850人いるとされ、前年度よりも4456人増えてしまいました。
加藤厚生労働相も、今年度末までの待機児童ゼロの達成は、なかなか厳しい状況にある、と語っています。

保育の質と量を両面から確保する政策ではあるが

2015年から始まった政策「子ども・子育て支援新制度」では、例えば、保育士1人が見る1歳児の数を6人から5人に減らすなどの具体策が決まっていました。
しかし政府は、保育士配置基準を緩和し、ひとりでも多くの子どもを受け入れられるように要求しました。
2016年4月からは保育士の比率が認可基準を下回っても、整備費や運営費の一部を補助する「企業主導型保育園」を新設。2020年春までに保育の70万人分増え、安倍政権発足以前より半減しています。

しかし一方で、施設増を急いだばかりに、保育士が足りず、定員通りに子どもを受け入れられない施設が続発しました。また、審査が甘く補助金詐欺もおきたとのこと。
そんな中で、2019年10月には「幼保無償化」が始まりました。しかし、保育の質が置き去りになっており、保護者からは、「優先順位が違うのでは?」という声も聞かれました。

依然重い負担、現場の保育士は・・・

埼玉県では、県独自の補助を行い、保育士一人当たりがみる子どもの数を少なくしています。
国の基準ではなかなか目配りができない現状がある、と園側は判断。国基準だと、「子どもから声をかけられても答えてあげられなかった」「誤食などに気付きにくくなる」と現場から意見があったとのことです。

2018年度の東京都の調査では、現役保育士9379人のうち、2103人にあたる約22%が離職の意向を示したとのこと。理由として、「給与が安い(69%)」「仕事量が多い(62%)」とあげる人が多くいました。
忙しい現場で、理想とする保育ができず、志だけでは続けられない現状があるようです。

玉川大学保育学の大豆生田教授は、「安倍政権下ではどうしても保育の量が優先されてきた。しかし、先進国の中で日本は極めて保育士の負担が重い。新政権のトップにはもっと保育士への手厚いサポートを期待したい」と語っています。

社会人向け保育士の資格取得を応援

まだまだ足りない保育士。これから何か資格を取得して仕事に生かしたいのであれば、保育士がおすすめです。
社会人になってからでも資格の取得ができるスクールが人気です。

サンライズ保育士キャリアスクールはこちら

https://www.sunrise-school.jp/about/

2020年9月5日(土)朝日新聞朝刊より出典