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2020.12.12

待機児童問題、本当に解決するの?

保育園の入園を希望しても入れない待機児童の数は、この春は12,439人となり、これでも過去最少となりました。
政府は新たに定員を14万人ほど拡充する対策プランを公表する予定です。

少子化対策と女性の就労率向上を狙う政策

1992年に専業主婦と共働きの世帯数が逆転、政府は2001年から待機児童ゼロ作戦と銘打ち、定員の拡充計画を発表しました。
当時の待機児童は約21,000人。その後、3年間で156,000人分の定員を確保したが、2005年には待機児童数は約23,000人と増えていました。
その後も保育園の整備を上回るペースで利用希望者が増えたため、整備しても待機児童が減らない現象が続いています。

しかし少子化はどんどん進む一方だが

2019年の出生率は87万ショックと言われるほど落ち込みました。待機児童の主な年齢層は1~2歳児ですが、50万人減った計算になります。
待機児童は2017年から減少はしており、この3年間で13,642人減りました。そのため、自治体は、むやみに作れば園児不足に陥るのではと懸念を抱いています。
現に東京都世田谷区では認証園の0~2歳児クラスで372人の欠員が発生、昨年度には園児不足で1か所が事業譲渡、1か所が閉園してしまいました。
そこで、政府は市町村ごとの人口の変化を踏まえて対策するように少しかじを切り始めました。

現場軽視の「とにかく保育園を増やせ」にはへきえき?

国は、認可保育園の運営ルールとして、子どもの数に応じた保育士の配置などを求めていましたが、保育士不足や土地の取得の難しさから、なかなか新規の園を作るのが難しかったとのこと。そこでさまざまな規制緩和繰り返しました。
2015年には小規模保育園、2016年には企業主導型保育事業を始めました。
ただ、定員を増やしても保育士不足は改善されません。さまざまな処遇の改善も道半ばです。
保育園を整備しても保育士が集まらず、予定の定員を受け入れれられなかったり、経験の浅い保育士が事故を起こしたり虐待で通報されたりしています。

待機児童の数え方もルール変更があった

きょうだいが別々の保育園に決まったり、勤務先の方向と逆にある園に決まったりして入園をしなかったケースの場合、待機児童とみなされません。
また、そのために育児休業を延長しても待機児童とみなされません。
これらは「隠れ待機児童」と呼ばれています。
本来は待機児童に含まれるところを、原因が利用者側にあるような形にされるのは実態に合っていません。
そのため、自治体が「ゼロ」と公表しても、「我が子は入れていないけど」という保護者も多いです。
このように表に出る数字だけ無理やりゼロにしようとしているのではとも感じてしまいます。

2020年11月30日(月)朝日新聞朝刊より出典