保育士資格合格パーフェクトナビ

保育士資格合格パーフェクトナビ
試験2019.09.19

保育士資格の国家試験合格率が低い理由

保育士資格を取得するための合格率は低いと言われていますが、国家試験のシステムや、厚生労働省が公表している筆記試験、実技試験の合格率を見てみると、低い理由や国家試験への対策が見えてきます。試験制度の改定によって、年々資格取得を目指す人が増えているその理由についてまとめています。

国家試験の試験内容

<一次試験(筆記)科目と出題形式>
一次試験は8科目(試験は9科目)で、1科目につき10~20問の設問。筆記試験はマークシート形式で、100満点のうち60点(6割)以上得点すると合格となります。
「教育原理及び社会的養護」は各分野50点満点となり、各分野それぞれ30点以上で合格になります。1度合格した科目は3年間受験が免除されます。

【8科目】
・保育原理 ・教育原理及び社会的養護 ・児童家庭福祉 ・社会福祉 ・保育の心理学 ・子どもの保健 ・子どもの食と栄養 ・保育実習理論

<二次試験(実技)の科目と出題形式>
筆記試験の科目にすべて合格することで、二次試験の実技科目を受験できます。実技試験は、保育実習実技について行います。音楽表現・造形表現・言語表現の3つの分野のうち、2分野を選択して受験します。
1分野50点満点中30点以上得点することで、合格60点以上で合格となり、自分の得点は合格通知書で確認が可能です。実技試験は明確な合格基準が公表されていないため、点数の加点や減点の基準は知ることが出来ないようになっています。

【実技試験の科目】
・音楽表現に関する技術
・造形表現に関する技術
・言語表現に関する技術

<試験日程>
保育士試験は、まず筆記試験が前期(4月)と後期(10月)の年2回実施されています。前期に筆記試験不合格だった場合も後期に受験が可能です。
その後、筆記試験の合格者のみ二次の実技試験が受験可能となります。実技試験は6~7月、12月上旬に行われます。

国家試験の合格率

厚生労働省が発表している平成27年度の資料より、筆記試験・実技試験の合格率を確認することができます。平成27年度の合格率は筆記・実技共に22.8%でした。
<一次試験(筆記)の合格率>
合格率:25.2%
4603人(合格者)/11619人(受験者)
合格率が低い理由としては以下のような理由が考えられます。
・筆記試験は9科目と多いため
・試験設問数は1教科につき10問だが、試験範囲がとても広い
・合格率は9科目全てに合格した人の割り合いのため低く見える
・1教科の得点数は6割で合格だが、その年の試験難易度にかかわらず合格ラインは変わらないため、合格率が上下する。
<二次試験の合格率>
合格率:89.1%
8528人(合格者)/9569人(受験者)
二次の実技試験は、厚生労働省が発表している27年度以前の合格者のデータを見ても9割と高い割合を占めています。合格率が高い理由としては以下のようなことが考えられます。
・3教科から自分の得意分野が選べる
・筆記試験合格後からの試験対策でも、まじめに臨めば比較的に間に合いやすい

合格率と難易度の比較

厚生労働省が年2回発表している保育士試験の全教科合格者の割合は、例年20%前後と合格者の割合が少なくなっています。保育士資格と同じ医療・福祉分野の国家資格の合格率を見てみると、看護師資格試験の合格率は2018年度で91.0%、薬剤師では、70.58%の受験者が合格しており、同じ国家資格でも保育士の資格取得の難易度は高いと言えるでしょう。
<保育士国家試験の科目別難易度>
保育士国家試験対策用の通学・通信講座を行っている民間企業では数社が受講生たちから試験各教科の得点を毎年ヒアリングしており、その平均点を各HPでも公表しています。それによると、合格点の60点を取得するのに難しい教科がいくつかあることが見て取れます。

合格率から自分に合った試験勉強の対策を見つけていこう

保育士資格を修得するための国家試験は、合格率は一見低く見えますが、制度改正によってチャレンジ回数が増え、不合格科目や不得意科目を克服するために時間をかけられるようになりました。
自分に合った勉強対策法を見つけ、筆記試験・実技試験対策のためチャレンジできる3年間をいう期限を有効活用しましょう。