共働きが当り前になった今日、忙しい両親に代わって祖父母が赤ちゃんの面倒を見るケースは多いでしょう。それに伴い、赤ちゃんの誤飲事故も増えているとのこと。
ここでは気を付ける点や対策グッズについてご紹介します。
12月・8月・1月の帰省時期に子供の誤飲事故は多発している
生後6か月~2歳頃までは赤ちゃんの誤飲による事故が多い月齢。消費者庁消費者安全調査委員会によると、2014年から2017年までの子供の誤飲事故は30,385件にのぼるとのこと。病院や相談機関が把握していないケースもあるので、実際はもっと多いでしょう。ヒヤッとした経験のある人もいるのではないでしょうか。
内訳は0歳児が16,6%、1歳児が50.7%、2歳児が24%となっており、1歳児が半数を占めています。
祖父母世代は薬を服用しているケースが多く、飲みやすいように食卓など目立つところに置いてあります。突然訪問してきた孫の手に届くところにあったため、いつものように手に取って口に運んでしまったり、大人が口に入れるのを見て真似したりするケースもあるようです。
ハイハイ期~2歳児は特に注意が必要
ハイハイから2歳頃までは、大人の言いつけが理解できないため、「触ってはダメ」と言い聞かせることは難しいです。
そうなると、大人が気を付けるしかなく、家の中を安全な空間にしておく必要があります。誤飲の危険がある小さなものは基本的に赤ちゃんの手に届かないところに置く・しまう必要があります。
素敵なインテリアも、赤ちゃんがいる間は台無しですが、ほんの3年くらいのことと割り切って、安心安全な空間にしておきましょう。
赤ちゃんが開けにくい薬容器の開発
ファンヒーターやキッチンコンロについているチャイルドロック。最近は薬容器に工夫を凝らし、赤ちゃんが開けにくい構造にする試み-CR(チャイルド・レジスタンス)も増えています。
欧米ではCR対策のコストを薬の料金に上乗せできるため普及しています。しかし今の日本の制度ではできません。そのため、普及しずらいのでは、という意見もあります。
チャイルドレジスタンス(CR)例
★こまもり袋(タキガワ・コーポレーション・ジャパン)
特定の場所から親指を入れ、左右に押し開けてチャックを開くタイプの薬の保存袋。手先が起用でない子供には難しくて開けられない仕組みになっています。
2017年にはCRの米国規格も取得しました。
★子ども誤飲防止機能カートン(丸金印刷)
箱の一部を押しながらスライドしないと開かない箱。手先が起用でない子供には難しくて開けられない仕組みになっています。
★子ども誤飲防止ラベル(丸金印刷)
錠剤シートの裏面に貼るシールです。子供が噛みちぎりにくい素材のフィルムでできています。
これらは非常に優れたアイデア製品ですが、まだ一般向けに販売されていないとのこと。数千単位で発注がないと商売にならない、とのことです。今後、医療機関や製薬会社に販売され、一般的に普及するといいですね。
2019年12月25日(水)朝日新聞朝刊より出典