山形県の中央児童相談所の一時保護所では、「安全委員会方式」という子どもの暴力を防ぐ取り組みが行われています。
ネグレストや虐待にあって一時保護される子ども達は時には扱いに困難を極めることもあります。
しかし、一時保育所は、子どもにとって安心安全な場所でなければなりません。信頼できる大人と出会い、暴力をせずに育ってほしいですね。
「安全委員会方式」と「魔法の言葉」
山形県中央児童相談所では、2年前にこの2つの方式を導入しました。元々は臨床心理学者の田嶌誠一・九州大学名誉教授が、施設の中で暴力をなくすために16年ほど前から提唱してきました。
魔法の言葉とは、
①たたかない、口で言う
②やさしく言う
③相手が悪くてもたたかない
の3つ。山形県中央児童相談所ではこれを合言葉にしています。
また、子どもたち一人ひとりに月に2回の聞き取りを行い、暴力をしたりされたりがあったか、体に触られたり触ったりがあったか、、暴力を見たり聞いたりしたことがあったか、その他に不安なこと、眠りの質などを聞いています。
そして、月に1回の安全委員会では子どもたちへの聞き取りの結果を報告します。ここには職員以外に施設長など外部からも参加してもらい、保護所内で起こった問題やどう対処したか、子ども達の様子などを話し合います。
原則保護期間は2ヶ月→1年に及ぶ子どももいる
は2020年4月現在、児童相談所は日本全国に143か所あります。保護期間中は子どもや家族から話を聞いて様々なことを調査し、家庭に帰せるかどうか判断しています。
本来子どもにとって安心安全な場所でなければなりませんが、傷付いて手がかかる子ども達の対応に苦慮している施設もあるようです。
中には人権侵害に近い厳しい規則や罰がある施設もあり、課題を指摘されるそうです。
「安全委員会方式」導入後、子どもの暴力が減っている
山形県中央児童相談所では、「安全委員会方式」を導入し、「魔法の言葉」を合言葉をしてから、2年経ちました。子どもの変化に手ごたえを感じているとのことです。
潜在化している暴力も発見できるようになったとのことです。
今では日本全国で33の施設が導入しているとのことです。
一時保育所は家庭内で安心・安全に過ごすことのできない子どもたちを助ける場所でなくてはなりません。
国や自治体はもっと予算を増やして施設や人員を増やしてくれることを望みます。
2021年3月25日(木)朝日新聞朝刊より出典