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2021.05.15

コロナとは無関係、「日本脳炎」と「おたふくかぜ」のワクチン不足

この夏、新型コロナウイルスとは関係なく、子どもの予防接種である「日本脳炎」と「おたふくかぜ」のワクチンが大幅に不足しているとのことです。いったい原因は何でしょうか。

定期接種が4回必要な日本脳炎と、任意接種が1回のおたふくかぜ

日本脳炎のワクチン接種は長期に渡ります。3歳を過ぎたら接種でき、1か月以上開けて3回、その後9歳から12歳の間に1回追加接種を行います。
おたふくかぜは1歳を過ぎてから1回接種し、3歳を過ぎてもかからなかったら追加接種を推奨しています。任意接種のため自費ですが、助成を受けられる自治体もあります。

この2つのワクチンが春ころから品薄に陥っています。新型コロナウイルスの感染拡大とは全く無関係で、製造工場での不備が原因とのことです。

ワクチン製造工場で、フィルターの不備や不純物の混合などがあった

おたふくかぜのワクチンは国内では2社が製造しており、そのうちの武田薬品工業の出荷量が春ころから大きく減っています。
3~4月に山口県の製造工場内で室内を無菌化するエアフィルターに不備が見つかり、出荷予定だったワクチンを全て破棄。このため、4月末には在庫がなくなってしまいました。
今後の出荷予定は10月頃とのことです。

日本脳炎のワクチンは国内では2社が製造しており、そのうちの阪大微生物病研究会の香川県の工場で、昨年の11~12月に原液の製造工程で不純物が生じたことが発覚。今後の出荷予定は12月頃を予定しているとのことです。

これらの2社を合わせると例年よりも80万回分も供給不足だとのことです。

日本脳炎は未接種者と2回目を優先、おたふくかぜは患者の必要度にお応じて

厚生労働省は日本脳炎のワクチンについて、未接種者と2回目の接種者を優先するように、と通達を出しました。
日本脳炎は合計4回接種することになりますが、抗体ができていない未接種者と、抗体が少ないと思われる2回目接種者がリスクが高いと判断したようです。

おたふくかぜのワクチンは任意で1回(2回推奨)ですが、多くのクリニックは在庫状況や患者が接種を必要としているかに応じて、現場の判断で対応していくようです。

VPD-ワクチンで防げる病気-は感染すると重大な後遺症が残ることもあるため、ワクチンで事前に防ぐことが大切です。
千葉県では2015年に日本脳炎に感染した子どもに重い障害が残った例が報告されています。
おたふくかぜも、感染した後に難聴になった例もあります。

新型コロナは怖いけれど、子どもの予防接種はきちんと受けて!

新型コロナの感染のリスクを考えて、予防接種を控える子どもがいるそうですが、厚生労働省や自治体はきちんと接種して欲しいと通知しています。

2021年5月3(月)朝日新聞朝刊より出典・引用しています
https://www.asahi.com/