保育士資格合格パーフェクトナビ

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2020.12.05

やっと!在宅勤務でも保育園入園選考で不利にならない動きが!

現在多くの自治体では、保育園の入園選考で、在宅で仕事をする人と外に出て仕事をする人とで差をつけています。
コロナ禍で在宅勤務が広がりを見せ、仕事場が自宅か外かで差を付けない動きが出てきています。

選考で優先度が低かった在宅勤務者

在宅勤務が広がったことで、子どもを見ながら就労する難しさを訴える声が相次ぎ、やっと社会に認識された形になります。
以前からフリーランスで在宅で働くデザイナーやプログラマーからは是正を訴える声がありました。
なぜなら内職扱いとなり、保育園への入園選考で外で働く人よりも低いポイントにしかならなかったとのこと。
もちろん、通勤時間がない、少ない、というメリットはあるかもしれません。しかし、「自宅にいるから仕事をしながら子どもを見られるだろう」という認識は、育児中の当事者からすればまったくの誤解です。
このたび、東京都千代田区では優先度を撤廃する動きがあり、埼玉県さいたま市では優先度を同等とする動きがあります。

多様な働き方を推進してきたのは政府なのに・・・

政府は以前から「多様な働き方を推奨する」という姿勢を示していました。2017年、厚生労働省は働く場所が自宅か外かで、保育園入園の優先度に差を付けないように、各自治体に通知を出してきたとのこと。
ですが、通知だけではなかなか変わらなかったようです。
このコロナ禍でようやく見直す動きが本格化してきました。逆にコロナ禍が起きなかったらいつまでたっても優先度に差があったままだったのかと思うと、在宅勤務者は納得がいかなかったかもしれません。
以前から「自営業者は子どもをおんぶしながら仕事ができるとでも思っているのか?」と怒りの声も多くありました。
当初、優先度をつけた背景に、育児に関わっている女性の声が反映されていたのか疑問に思います。

本来は選考基準があること自体おかしい!

コロナ禍を経験して、さらに多様な働き方が増える兆しがあります。
みずほファイナンシャルグループは、週休3日や4日の勤務を取り入れるとし、育児や介護との両立を推進しています。
また夜勤をこなしている人は、月に何日勤務するか、という選考基準では不利になってしまい、月に何時間かとカウントした方がより実態に合っています。

「保育を考える親の会」の代表、普光院さんは、そもそも保育園の定員数が全く足りていないことが問題、と語っています。
さまざまな理由を付けて、保育を希望する人を選考しなければならないこと自体おかしいことです。
本来なら保育を希望する人が誰でも提供されるようになるのが理想でしょう。しかし、保育従事者の労働環境が思うように改善せず、なかなか理想通りにはいかないようです。

2020年11月21日(土)朝日新聞朝刊より出典